TikTokの新機能、コンテンツレベルシステムとは?概要と導入の背景を解説
バイトダンスが運営する人気のショートムービープラットフォーム「TikTok」は2022年7月13日、未成年ユーザーに対して有害と思われるコンテンツを表示させないようにする新機能「コンテンツレベルシステム」を導入することを発表しました。
この記事では、コンテンツレベルシステムに関する情報や導入の背景などを解説します。
目次
コンテンツレベルシステムの概要
コンテンツレベルシステムとは、コンテンツの内容に応じて成熟度スコア(ゲーム業界で使われている「CERO」のようなもの)と呼ばれるレーティングを設定し、そのコンテンツが未成年者に対して有害か有害でないかを識別するシステムです。
コンテンツレベルシステムによって、大人向けと識別されたコンテンツは13歳〜17歳までの未成年のユーザーに表示されなくなります。
未成年を過激コンテンツから守る
TikTokはコミュニティガイドラインを策定し、プラットフォーム上に有害なコンテンツが存在しないように努めていますが、大人向けのコンテンツや、過激すぎるコンテンツなどが若年層のユーザーの目に触れることがあります。
コンテンツレベルシステムの導入は、そうした内容のコンテンツから若年層のユーザーを守り、より楽しめるようにすることが目的のようです。
TikTokはすでに下記の記事でも紹介しているように未成年保護を目的とした制限を行っており、全年齢層に対して健全なプラットフォームを提供することに対する本気度が伺えますね。
TikTokが未成年保護を目的に公開設定やDMなどを制限
コンテンツカスタマイズ機能も追加予定
コンテンツカスタマイズ機能とは、TikTokのおすすめフィードに届く動画をユーザーが任意にフィルタリングできる機能です。
TikTokではレコメンデーションエンジンによって、ユーザーが興味を持っているであろうジャンルのコンテンツを自動的におすすめフィードに表示するようになっており、思いがけずフォローしたくないクリエイターや見たくないジャンルの動画が表示されることがあります。
コンテンツカスタマイズ機能では、
- 表示させたくない動画が流れたときにアプリ上の「興味がない」ボタンを押す
- 見たくない単語やハッシュタグをアプリで指定
いずれかの操作を行うことで、気にいらないコンテンツが表示されないように
フィルタリングすることが可能になります。
導入の背景とは?
今回、コンテンツレベルシステムやコンテンツカスタマイズ機能が導入される背景はなんでしょうか?
TikTokで未成年者によるトラブルが世界的な問題に
近年、TikTokが若年層への影響力を増すにつれ、動画をきっかけとした誹謗中傷やいじめ・未成年者によるトラブルが日本でも問題視されています。
海外でも、TikTokで人気のある「#ブラックアウトチャレンジ」を試みて10歳の少女が亡くなったという訴訟が起こるなど、TikTokで見たコンテンツが原因で子供が怪我をした、あるいは殺されたと主張する親からの訴訟が問題になっているようです。
そうした未成年者が関係するトラブル・苦情の増加が今回の新機能実装に踏み切る背景と考えられます。
今回のアップデートに対するTikTokのコメント
プレスリリース内にあるTikTokの声明からも、TikTokが未成年保護に力を入れていることがわかります。
TikTokは、このようなシステムの構築と改良を続けることで、さまざまなユーザーを対象としたレコメンドシステムの構築に取り組んでおり、業界全体が長年抱えている課題解決に貢献できると考えています。他方、その実現を目指すシステムの構築は非常に複雑であるために、エラーや失敗がおきる可能性があることも認識しています。しかし、コミュニティにとって安全で楽しいユーザー体験を提供し続けることに全力で努力し、コミュニティからのフィードバックに耳を傾け、専門家との協議を続けるなど、真摯な取り組みを続けることで、グローバルコミュニティのニーズに応えていきたいと考えています。
コンテンツレベルシステムはいつから利用できる?
TikTokの発表によると、今後数週間のうちに初期バージョンの導入が開始されるようです。
近々、大規模なアップデートが行われる可能性がありますので、未成年者の方は忘れずにアップデートしましょう。
ショートムービーラボでは、今後もTIkTokをはじめとするショートムービープラットフォームに関する最新情報をお届けしていきます!